【Aroma Library】カモミール精油のおすすめの使い方・効果・効能

JODAN.(ジョダン)のinstagramでもご紹介している精油の種類についてのアロマメモと心理作用を、ブログでもう少し詳しく発信するコーナー第9弾。
植物たちの声に耳を傾ければ、わたしたち人間もその力の素晴らしい効果を十二分に受け取れるようになるはずです。
草、木、花、種…は私たち人間よりもずっとずっと偉大で強い存在。
だから、不安なとき、弱っているとき、疲れているとき、自分らしくいられないときに、助けとなってくれる。
そんな植物たちにもっと親しみを感じて頂けたら嬉しく思います。
第9回目は、カモミール精油についてご紹介いたします。
精油について知って使うのと知らずに使うのとではアロマの効果も違ってくると言われていますので、一歩踏み込んで精油のことを知るきっかけとなれば幸いです。
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イラスト/服部あさ美
【Aroma Library】カモミール精油のおすすめの使い方・効果・効能
カモミール精油の基本情報
精油名:
Roman chamomile ローマンカモミール
German chamomile ジャーマンカモミール
学名:
[ローマンカモミール]Anthemis nobilis, Chamaemelum nobile
[ジャーマンカモミール]Matricaria recutita, Matricaria chamomilla
科名:キク科
抽出部位:花
抽出方法:水蒸気蒸留法
産地:
[ローマンカモミール]地中海沿岸、ドイツ、フランス、イギリス
[ジャーマンカモミール]地中海沿岸、ドイツ、エジプト
ノート:ミドルノート
カモミールのストーリー
アロマセラピーで使われているカモミール精油には、主に、ローマンカモミールとジャーマンカモミールの2種類があります。
ローマンカモミールは、花だけでなく葉にも甘い香りがあり、精油になるとりんごのようなさわやかな甘さのある香りを放ちます。精油の色は少し黄味のある色です。
ちなみに、カモミールは、ギリシア語で「大地のりんご」を意味しています。
ローマンカモミールは、ヨーロッパにおいて何世紀も、薬や香りの原料や生け花に用いられた歴史があったり、
古代エジプトでは太陽神ラーに捧げる大切な植物とされていたり、
イギリスでは、人々がカモミールを床に撒いて、カモミールの香りを家の中にほのかに香らせていたりと、様々な場面で活用されてきました。
一方、ジャーマンカモミールは、花は甘い香りがしますが、精油になると薬草を思わせるようなのんびりとした香りを放ち、精油の色は濃い青色をしています。
実際に、古くから薬草として使われてきた歴史があります。
ハーブティーとして親しまれているのは、ジャーマンカモミールの方です。
カモミールの植物の特徴
ローマンカモミールとジャーマンカモミールの姿かたちや心身への効能は全く同じではありませんが、非常によく似ています。
デイジーのような白くて可憐な花を咲かせ、細かな羽状葉をつけ、見た目も見分けがつきにくいですが、
ローマンカモミールの方は、草丈20〜30cm程度まで茎が這うように伸びる性質があり、
ジャーマンカモミールの方は、草丈50〜60cm程度まで直立して伸びていき、こぼれ種でもよく増える丈夫な植物です。
薬能形態論などに基づいたカモミール精油の特徴
【花系】
16世紀、スイス人医師パラケルススが、「植物の形態が人間の器官や体の部位と似ていたり、特定の生物の特徴を思わせたりするものはその効用を反映していて、それは神が人間に植物の効能を知らせるためのヒントを託している」と唱えました。
植物と人間はまったく違う生き物のようですが、実は似ている部分がたくさんあります。
カモミール精油は花の部分から抽出されますが、
花は人間に例えるなら頭と顔にあたる部分と捉えられています。
個性を表現する歓びのエネルギーを持っているため、自分らしい魅力を開花させ、美しくなりたいと求めるときに助けになったり、
陰陽の質で言うと、花は男性的というより女性的で陰の質を持っているので、静かな夜のように脳をリラックスさせ、穏やかさと落ち着きをもたらすとされています。
また、花には雌蕊(めしべ)と雄蕊(おしべ)があり受粉する機能を備えていますが、
花のエッセンシャルオイルは、人間の生殖器官にもエネルギーを与えてくれ、
セクシャリティを高めたり、月経痛や更年期のトラブルにも作用します。
それ故に、妊娠期には子宮に刺激を与える恐れがあるので、妊娠中は禁忌とされているものが多くあります。
カモミール精油の心への作用・効果・効能
カモミールのキーワードは、「力を抜く」「寛容」。
ローマンカモミール精油の方は、芯のある強さの中にやわらかい甘さを持った香りで、
嗅ぐだけでも、知らないうちに緊張して硬くなっていた筋肉をゆるめてくれ、
ただただ甘えたい気分のときに、気持ちをやさしく慰めてくれます。
言いたいことを言えずに我慢していたり、不安や怒りの感情で気分が優れず体調が悪くなっているときに力になります。
気持ちが弱ってきたと感じたときは、バスソルトやバスオイル(入浴剤)にしてゆったりとお湯に浸かってみましょう。体を芯から温めて心身を休息させてくれます。
大人だけでなく子どもが落ち着かないときにも、ぜひ芳香浴を試してみてください。自律神経を安定させる効果により、心身のバランスを整えるのに役立ちます。
ジャーマンカモミール精油の方は、嗅ぐ人によって好みが分かれやすい独特な香りですが、
心の底から疲れ切ってしまっているときや、皮膚疾患のある方は、ジャーマンカモミールの個性的な香りを心地よいと感じる場合が多いようです。
カモミール精油のからだへの作用・効果・効能
ローマンカモミール精油の方は、精油成分の8割が中枢神経の働きを抑制する成分なので、
寝つきが悪いときや、眠りが浅いとき、夜中に目が覚めてしまうなどの睡眠トラブルにおすすめです。
ホホバオイルなどのキャリアオイルに希釈して、手をマッサージしたり、背中や首の後ろ、腹部に刷り込むと効果的。
神経を鎮静させる力が強いので、胃痛や過敏性腸症候群のケアにも向いていますし、高齢者にとっては、神経痛などの体の痛みを和らげてくれる作用があったり、
女性にとっては、月経前症候群(PMS)や月経痛を緩和してくれる作用があります。
こどもにとっても使いやすい精油のひとつで、歯の生え始めのむずかゆいときにも、希釈して優しく塗布すると症状を落ち着けてくれます。
また、スキンケアには、乾燥肌、敏感肌、脂性肌、老化肌などすべての肌質に利用でき、炎症を鎮める働きもあったり、
頭皮においても、皮脂のバランスをとってくれるため、無香料のシャンプーに入れて使えば、頭皮をすこやかに保ち、髪にコシも与えてくれます。
ジャーマンカモミール精油の方は、抗炎症作用と抗アレルギー作用が強く、特にかゆみや湿疹などの皮膚のケアに向いています。
赤ちゃんのおむつかぶれには希釈したスプレーを吹き掛けたり、ジャーマンカモミールのハーブティに浸したコットンをあててあげると赤みが緩和されますし、
軽いやけどや日焼けした肌、アトピー性皮膚炎にも効果があります。
また、保湿作用があるので、化粧水にして使うのもおすすめです。
カモミール精油とブレンド相性の良い精油
基本的には様々な種類の精油と好相性ですが、
ローマンカモミール精油の方は、香りが強めなので、ブレンドするときは少量に。
ながくゆったりとした状態でいたいときには、ベースノートの精油と合わせると深くリラックスできます。
ジャーマンカモミール精油の方は、個性的な香りで同じく香りが強めなので、かなり薄めにブレンドすると程よく甘みが引き出されます。
カモミール精油の色とチャクラとの関係
ローマンカモミール精油は、主に、みぞおちにある第3チャクラの黄色と共鳴しているとされています。
黄色は、光や幸せを象徴する色。
第3チャクラは、全神経の中心とされるソーラー(太陽の)プレクサスチャクラと呼ばれ、サンスクリット語では「マニプラーラ」といい、「光る宝石」を意味し、
宇宙の中にたったひとつある太陽のように、自分と同じ人間は誰ひとりおらず、ひとりひとりが光輝く価値のある存在だということを教えてくれる精油のひとつです。
一方、ジャーマンカモミール精油は、主に、額の中央にある第6チャクラの深い青色(インディゴブルー)と共鳴しているとされています。
インディゴブルーは、深海や闇を象徴する色で、深い洞察力や物事の見えない部分の本質を見る色で、
第6チャクラは、サンスクリット語でアージュニヤーやアジュナといい、「知覚する」という意味を持っています。
額の中央には第3の目があると言われますが、思考を超えて真実・物事の本質を理解し、
自分の身に起きた出来事は、良い・悪い関係なくすべて自分自身が生み出した現象であると気づかせてくれ、意識を変えたり行動を改めようと見つめ直すきっかけをくれる精油のひとつです。
カモミール精油にまつわる注意事項
ローマンカモミール精油:
キク科アレルギーの人は注意してください。
ジャーマンカモミール精油:
妊娠中、授乳中の人は医師に相談してください。
キク科アレルギーの人は注意してください。
おわりに
ローマンカモミール精油も、ジャーマンカモミール精油も、どちらも疲れた心を慰めてくれます。何か心に問題を抱えているときは、嗅ぎ比べてみたり、カモミールのやさしさに甘えてみてくださいね。
常にアロマの香りに包まれていたいという方のために、JODAN.(ジョダン)では外出時にも香りに癒されるアロマリングやオブジェのようなアロマストーンを販売しています。毎日の生活に植物のパワフルな香りを気軽に取り入れてみてくださいね。いつの間にか自然に皆様の人生がより良い方向に導かれることを祈っております。